2009年1月4日日曜日

韓国の村歩き(昨年のまとめ)

 韓国を歩いていて一番ショックだったのは、月の街(달동네)や蟻の村(개미마을)、九龍村(구룡마을)など、様々な事情で貧しい人々が集まって住む街があったことだ。漢江の奇跡(한강의 기적)と言われた韓国の高度成長の裏側に、この様な痛ましい現状があることを知って、人間の愚かさ、悲しさ、寂しさを感じた。
 そして、このようなことを韓国の人に聞いても、貧困街の話にはあまり関心を示さなく、月の街(달동네)は仁川市水道局タルトンネ博物館など、一種の観光資源として取り扱われているのも悲しい現状である。
 
 思うに貧困の問題は、そのまま差別の問題であり、他者への想像力の欠如の問題なのではないだろうか。それは単純に、差別的な境遇に置かれた人々が貧困に陥っているというようなことではなしに、貧困という事態が、多くの人に見えてない(関心がない)というところに、より本質的な差別があるということを意味している。紀田順一郎『東京の下層社会』

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