夜空を見つめると遠くに星が見えるが、それは、その星からあなたへと届いている光のおかげなのだ。だだし、光がここまでたどり着くには時間がかかるから、あなたが見つめているのは遥か昔の星の姿ということになる。その時間の長さは、光が私達のところに届くまでどれだけかかったかによるわけだから、星が遠くにあればあるほど、昔を見ていることにもなる。そこで、例えば6千年前の星を見ているとして、その星にいる誰かが私達を見ているとしたら、彼らも6千年前の私達を見てることになる。となると、この両者のどちらが“今”なのだろうか?このように、時間と空間はお互いに結びついていて、空間を見つめるということは、即ち過去を見つめていることにもなるのだ。(フランク・クローズ教授、ヨーロッパ粒子物理学研究機構)
フランク・クローズ教授の話の観点とは違うが、私は空間を見つめることがとても好きだ。特に東京の空間。グチャグチャな道、ガチャガチャな区画が、いつの間にかビルになったり、道路になったり、公園になったり。すでに碁盤の目状に整備された名古屋、大阪、札幌では見ることができない現象が見られるのである。グチャグチャな道とガチャガチャな区画という空間には歴史という時間が刻まれていて、開発による空間と歴史(時間)の変化を見ることができる。 よくぶらっと、カメラを片手に出かける。地図はあまり見ないことにしている。それは意外性がなくなってしまうから。迷い、驚き、発見を期待したいから。。。。
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