永登浦(ヨンドンポ)は鉄の街で、駅の北西部に小さな町工場が犇きあっている場所がある。製造しているのは、鉄板、鉄の棒の製造がメインだ。
私は、この場所で、鉄を切る音、鉄を運ぶ音、鉄が落ちる音、鉄が溶ける音、それらの重くて乾いた“音楽”を聴きながら、かつての鉄の街「埼玉県川口市」の過去を想像しながら歩いているのに気づいた。川口市の過去を私は具体的に見たり聞いたりしたことはないが、生活中心主義に都市化された川口の市街地の中で、ひっそりと営業している小さな鉄工所の姿を見たことがあるので、そのような感覚が思い浮かんできたのだと思う。
そして、私は、ソウル遊歩の目的が、遠く消え去った過去の日本の姿を見つめることであることを実感した。
かつて東京や大阪などの大都市が経験した、生産中心主義の都市から生活中心主義の都市へ変貌するダイナミズムを〈いま〉ココで感じることができるソウルが面白い。
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