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さて、この本に読み疲れて、ふとあとがきを読んでみたら、自分が今感じていることと同じことが書いてあって非常にびっくりした。
巨大な閉鎖空間の中に店舗をつくるやり方は、現在の日本のショッピングモールの空間に転用されている気がする。たとえば、お台場、あるいは横浜みなとみらい、南大沢、六本木ヒルズ、表参道ヒルズなど。しかし、日本のイベント的ショッピングモール空間は、資本主義のまがまがしさ度を越しており、巨大化した空間は安堵感などもうちょうがない。むしろ、画一さと大掛かりな装置となってわれわれを苛立たせる。そこで19世紀の人びとが夢見たようにまどろむことができるのであろうか。菅本康之『モダン・マルクス主義のシンクロニシティ』
映画、カメラ、電話、自動車、飛行機、工場、一気に新しいものが生まれた19世紀。現在はどうか、過去の遺産のデジタル化、効率化だけでなにも変わっていない。たぶん未来は19世紀に出し切ったのだと思う。だから今、私は19世紀の人びとが夢見たようにまどろむことができる何かを発見することが本当の未来だと考えている。
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